【2020/5 in nest】

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最初にそのようなことがあったのは、おれが生まれて病院を退院してきて間もなくだったという。 母親が信奉する宗教の地域の集会の管理者が、預言者とされる役員と、その宗教の信者である医師を伴って家に来た。預言者にその宗教で名乗る「本当の名前」と預言を授かり、その後に割礼を受けた。 勿論その時の記憶はない。只、確実に言えるのは、おれの自覚するしないは関係なく、「聖約」を盾におれの尊厳はそこで大きく傷つけられたということだ。 おれは乳幼児期の間その教団の運営する保育所のような所に預けられ、母親は教団が勧誘目的で運営している英会話教室の講師をしていた。立場としてはその役割のそのまま教えを伝える「教師」で、奉仕活動なので給与は発生しない。体の良い搾取だった。 預けられている間、事あるごとに刷り込むように丹念にその宗教の教えを浴びせられ、講師をしない日でも母親に伴われ礼拝や儀式などで大きな教会とか拝殿のような所に連れて行かれ、勉強会のようなものに行かされる日々。 殆ど休日とか余暇というものがなかった。当然、小学校に通い始めた辺りの物心つく頃には自分の家は他所の家とは違うことに気づいていた。学校生活にまで様々な制限を課され、遊びや授業に混ざることができない。 教団の外の環境で、おれは他の子供とどう関わっていいのかもわからずいた。学校が終わると自然とおれの足は母親が居る英会話教室か、教団の施設や地域の集会所になっている管理者の人の家に身を寄せた。 弊害はそれだけではなかった。教団の大人たちは母親が講師をしていて目が届かないことをいいことに何かと理由をつけてはおれを個室に呼び出し体を密着させて指導したり、沐浴や着替えをさせられたりして体を舐めるように眺めたりしていた。 言語にできない気持ち悪さや羞恥を感じてはいたものの、拒否反応を示せばおれに疚しい気持ちがあるからだと叱られ、心にもない懺悔を要求されたりするので言えなくなった。 教えの中では性的感覚をむやみに刺激する事は罪であるとされているのにそういったことが繰り返され、おれは教団のコミュニティの中に置かれどっぷりと浸かっていたにもかかわらず、教義とか戒律とかその意味を疑っていた。当たり前だ。 やがて7歳の誕生日、決定的な出来事が起きた。 この教団では7歳になると聖霊とともに神の従者として新しい生活を始めるための儀式がある。全身を水に沈め罪を洗い流し生まれ変わるとされ、これを以て正式な信者になったと見做される。 その儀式のあと濡れた服を着替えるため案内された部屋で、おれは複数の関係者から挿入こそされなかったが祝福と称し、全身に口づけられ、口腔に舌を差し入れて掻き回し唾液を流し込まれ、腿や尻の肉朶に屹立した性器を挟み自慰の道具にされた。 それらの行為をしている男たちは、血走った目をぎらつかせて夢中になっていた。完全に理性を失い耽溺している状態の大人の力はあまりに強く逃れようもない。 比較的若い奴は顔に跨って口元や頬にも擦り付け、低く呻いて身震いさせて精液を放ち、腿や肛門にも精液をかけ、一度や二度放精しても物足りないのかうっとりした顔で萎えたものを扱き、再び張り詰めさせて行為を続けた。 年を食った連中も脚を持ち上げて広げておれをひっくり返して非れもない姿にして、汚れた部分を舐め回すだけで飽き足らず執拗に肛門の襞にも舌を捩じ込んで穿くり、涎を垂らして性器を音を立ててしゃぶる。 中には様子を見ながら肛門を指の腹で揉み解し、唾液まみれにした小指を挿し入れて中の感触を堪能しながら自慰に耽る者もいた。痛みを齎すほどではなかったが抉じ開けられたそこは熱く、異物感に不随意に痙攣した。 すべて終わると何事もなかったかのように濡らしたオシボリと着替えをおれに手渡し、祝いの席に向かうように促して次々と退出していった。
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