日常

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高校二年で同じクラスの隣の席になった彼と 初めてちゃんと会話をしたのは、新学期が始まって すぐのことだ。 その日私は寝坊をして、古典の教科書を忘れた。 それは学校まで慌てて走っている時に気づいた けれど、もう取りに帰る時間はなくて、とにかく ホームルームに駆け込んだのをよく覚えてる。 始業のベルが鳴ってしまって、どうしようかと 慌てていた私に… 『一緒に見る?』 って、声をかけてくれたのが譲。 それが彼と初めて会話をした日。 人と人が仲良くなるきっかけなんて些細なことで それからちょくちょく会話するようになって お互い好きな音楽だとか、本が似ていることが 分かったりして。 そしてだんだんと距離は縮まった。 それこそ"女友達"の中では一番仲が良かった 自覚はある。
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