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「おい勇太! お前サボっていないでこっち手伝えよ!」
「モグモグ。うるせえな。お前は俺の親かよ。腹減っているから稽古前の栄養補給」
「この野郎…… 俺はお前が入ることに」
「ハイハイわかりました。これ以上話すと何されるかわからないぜ。お~怖い怖い」
怒りでなぐりをギュッと握りしめる大輝先輩に対して悪びれる様子もない勇太先輩とのやり取りに皆が言葉を失っていると舞台袖で蹲るボクの背後に笑顔で近づいてきた
「梓ちゃん今日はよろしく頼むぜ」
「きゃあ! 勇太先輩……」
不覚にも勇太先輩に背中を触られてしまった。ボクは身体を小刻みに震わせたが、そんなことはお構いなしに更に
「俺が君の魅力をもっと引き立ててあげるよ」
ボクは汗が滲む両手をギュッと握られてしまった。
「うわああああ!」
周りの事など気にする余裕もなく、ボクは大声で叫びながらトイレへと駆け込んだ。
何度も石鹸を使って手を洗うが手がふやけだしても洗うことを止められない……
勢いよく出る水の音が静かなトイレに響いていた……
そして……
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