37人が本棚に入れています
本棚に追加
「……私ずっとお母さんに疎まれてたから自信がないの」
「それは満紀のせいじゃないだろ?」
「私が不出来なせいだよ。いつも『佳代ちゃんは出来るのに、満紀ちゃんはなんでこんなことも出来ないの?』って言われてきたから」
「母親の言うことなんて気にすんな。満紀は満紀なりの良さがあるんだから」
「……そうなのかな? 私がダメな子だから嫌われたんでしょ? お祖母ちゃんにもお母さんにも」
「嫌われてるのは別の理由があるに決まってるじゃないか? 普通に考えて、叔母さんに似てるってだけで、そんなにも我が子を嫌うなんてあり得ないだろ?」
「そんな理由あるの? 私何も聞かされていないけど」
「ああ、あるんだ」
「どうして知ってるの?」
「……すまない、実は気になって知らべたんだ」
「謝ること無いよ。きっと朔也君のことだから、私の為に必要なことだと思ったから調べたんだろうと思うから。なにか分かったことがあったなら教えてくれる?」
以前チラッと不思議に思ったことがあったが、これで合点がいった。満紀自身は話した記憶がないのに、母と折り合いが悪いということや、勢津叔母さんが家出したことをなぜ朔也が知っているのだろうかと。リベンジポイントに入会するためか、それとも満紀を守るためか、どちらか分からないが何らかの理由で満紀の身の上を調べた時にでも出てきたことなのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!