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「お祖母ちゃんチへ行けば佳代ちゃんも気が晴れるかもしれないね。それでどれくらい向こうに行くつもり?」
「まだ決めてないわ」
「? どうして?」
「こっちの学校に通うとまたイジメられるかもしれないし。とりあえず落ち着くまで向こうの学校に通うのも手かな? って思ってるの」
「え? 転校するの? それなら何年も戻ってこないってこと?」
「佳代ちゃんが落ち着いてから、佳代ちゃん自身の希望も聞かないといけないから、まだ何とも言えないけど。こっちの学校にまた通うのはナシな方向で考えてる」
つまりは芳江も戻ってこないつもりなのだろうか。
「そっか、ここから離れればイジメも噂も関係なく、全部リセットできるものね」
この土地からだけでなく、満紀からも離れれば、という意味になるのだろうが、それを口にする気にはなれなかった。
「佳代ちゃんの心にも経歴にもこれ以上、傷をつけたくないの。だからそれが一番いいと思って」
「……私はどうすればいいの?」
私もついて行っていい? とは当然言えない。
「このままでいいじゃない。満紀ちゃんはこの家で、お父さんと一緒に暮らしていけばいいでしょう? もう高校生なんだし、自分のことくらい自分で出来るわよね?」
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