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だから、今度こそ緑子へのリベンジを完遂することだけを考えるのだ。朔也が満紀の為に骨を折ってくれていると思えば、満紀にはハードなEランクミッションにだってトライすることに躊躇はできない。朔也の為にも頑張ろう、と満紀は思った。
―*―-―*―
登校して満紀が教室に入ると案の定、微妙な雰囲気が流れた。
クスクス笑い、そして悪意のこもった視線が刺さってくる。どうやら、昨日のカラオケボックスの一件がクラスのみんなに知れ渡っているのだろうというのは容易に想像できた。
「あら? おはよう! 満紀さん。今日は白馬に乗った王子様は一緒じゃないの?」
緑子がニコニコ笑いながら挨拶してきた。
「そうそう、時田の癖に、意外にも男捕まえるのだけは早かったのね」
安奈の声に教室内に忍び笑いが広がった。
「あの人は彼氏とかじゃないですから、変な言い方は止めてください」
カレカノの仲以上の絆が二人の間にはあると、満紀は信じていたが、それはこの際言いっこなしだ。
「志堂学院の、しかもあの宮小路家のお坊ちゃまだものね、満紀さんにあんな彼氏が居たなんて意外だったわ」
「彼氏じゃないって言ってるじゃないですか……だけど、あの宮小路家って?」
「あら? そんなことも知らないの?」
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