〇リベンジ

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裏サイトの話なので信ぴょう性には欠けるかもしれないが、とりあえず掲示板の情報をつなぎ合わせて緑子の両親の名前や、経営する会社名など様々な情報を手に入れるとメモ書きにして保存しておいた。 目下緑子へのリベンジは朔也に丸投げしている状態だが、後日(ごじつ)何かの役に立つかもしれない。少しでも朔也の力になれたら、と思っていた。 掲示板には緑子の父親の年齢は書かれていなかったが40代か50代かそれ位だろう、それが女子高生しかも斉蘭の生徒に手を出していたとなったら、かなりのスキャンダルなのは確かだ。斉蘭の理事会入りが吹っ飛ぶのは当然の成り行きだろう。 これだけで緑子がダメになるとは思えないが、格好悪いのは確かだし、来年度は父親が理事会入りするという事実をもって肩で風を切っていたのに、今後はそうもいかななくなるのはいい気味だと満紀は思った。 <意外な切り口で驚いた> 再びアプリを立ち上げ、朔也に感想を送った。 <こうやって緑子の鼻っ柱を折っていき、最後は地に落としてやる> <ありがとう。今までずっと我慢してくすぶってたのに、スカっとした気分> <まだ始まったばかり、これからが本番だ> <今日は登校するのが楽しみだよ> イジメが始まったあの日から、初めて登校が楽しみに感じられた。朝早く出社した父はもう家にいないので、満紀一人の家の中はガランとして寂しかったが、「さぁ、行こうか。朔也君がせっかくリベンジしてくれてるんだから見届けなくちゃ」そう自分を鼓舞して玄関を出た。
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