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「うん。今は緑子さんが完全に失脚する日が待ち遠しいよ」
「やっとお互いの考え方が噛み合ってきたな」
「そうだね、前の私は臆病すぎて、朔也君の考え方についていけなかったもの」
「満紀はそれまで普通に育ってきたからだろ」
「確かに、家族の中では浮いてたけど、朔也君みたいな状態じゃなかったもんね」
「俺みたいな、とは?」
「この前、緑子さん達から朔也君のおウチの事情聞いたの。メールで話すには微妙過ぎたから会って話そうと思ってたんだけどさ」
「へぇー、どんな話?」
「……朔也君が養子だとか」
「ああ、その通りだよ」
「だから、家に居辛いとかいってたんだな、って納得したよ。最初の頃とか全然知らなかったから言いたい放題言っちゃってゴメンね」
「事情知らないんだから仕方ないだろ、気にするな」
「それから“宮小路家の呪い”とかいう話も聞いた」
意味深な響きが気になって、ネットで調べてみたがあまりよく分からなかった。旧家である宮小路家の当主の男性が、奇病で早死にするケースが多かったから、というような話が書かれていたが、それが “呪い”とどう関わっているのかは見当もつかなかった。
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