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緑子が学校を休んだ状態のまま、だるま落としの3段目が落とされたのは、その翌週のこと。2段目の時と同じくやはり朝のニュースで事の次第を知った満紀は、あまりのことに開いた口がふさがらなくなった。
緑子の父親の経営する高堂興産と政治家である宮小路泰造の政治献金疑惑が持ち上がっていたのだ。いくら不仲であっても、宮小路泰造は朔也の養父だ、満紀の復讐の為に家族まで追い込むのかと驚きを禁じ得なかった。
慌てて朔也に会って話したいと連絡を入れたが<家の周りを記者が囲んでいるので、今は外へ出られない>との返信。確かに無理からぬ状況なので、メールで話そうとしたが<メールで話すようなことじゃないから、落ち着いてから会って話そう>ときっぱり断られた。
(私の為にしてくれたのかもしれないけれど、もっと違う方法があったはずなのに。こんなやり方、いくらなんでも間違ってるよ)伝えられなかった言葉が満紀の中でグルグル渦巻く。緑子の3段目が落ちるのは嬉しいはずだったのに、今回ばかりは喜べない気分だった。
朔也に早く会って話したいのに、会えない。落ち着かない思いはミッションをこなすことで紛らわすことにした。
最初こそFランクミッションは厳しいものに感じたが、何事にも慣れというものがある、早く所定のポイントをクリアして、Eランクにチャレンジ出来るようになりたいと思っているところだ。
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