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「そうだな、最初から話そう。満紀はきっと驚くことばかりだと思うけれど、心して聞いてくれ。最初に断っておくけれど、満紀を騙すつもりはなかったんだ、ただ事情を言い損ねていたのと、話すなら緑子のことが完全に片付いてからにしたいと思ってたから」
「ちょっと待って、緑子さんのこと完全に片付いたってどういう意味?」
「そのままの意味だよ」
「今朝、緑子さんが事故で入院したって聞いたの。裏サイトを見たら自殺未遂かもって書かれてたけど、朔也君が追い込んだの?」
朔也の事情も気になっていたが、緑子の事故も気がかりだった。それは緑子の体を心配したというよりも、満紀の為に朔也がそこまで手を汚してしまったのか? というその点につきる。
「事故の話は俺が手を下した訳じゃない。その原因も俺は関与してないよ」
「どういうこと?」
「緑子の性格なら死んだ方がマシだと思ったのかもしれないな」
「ご両親のスキャンダルと悪事が次々に出てきたから?」
「それに加えて、ご自慢の美貌に傷がついたからだろう」
「どうして顔に?」
「ああ、酷い化粧品かぶれを起こして顔に何年も消えないような痣が出来たらしいぞ。まぁ、現代の医学なら何年かかければ、かなり目立たなくなるらしいが、美貌を誇っていた緑子には耐え難かったんだろうな。自殺未遂か事故か知らないが、どちらにしても俺は関与していない」
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