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「化粧品かぶれってそれは朔也君が仕掛けたんじゃないの?」
「それも違う。俺はもっと違う方法で4段目を落とそうと計画していたが、別の人間が先に動いたってことだ」
「別の人?」
「満紀は緑子に復讐はしたいが、肉体的なダメージを負わせるのは性に合わないだろうと思ったんだ」
「暴力は苦手だからね、やっぱり分かっててくれたんだ」
「それくらいは分かるさ」
「じゃあ、誰が?」
「緑子が通ってるエステの新人が、ちょっとした失敗をしたらしいんだが、ご機嫌斜めだった緑子が激怒して、手ひどく叱責した上にその新人を首にしたらしいんだ。それでその新人が恨みに思って、エステを辞める前に緑子専用にキープされたコスメに劇薬を仕込んだらしい」
「これって偶然なの?」
「偶然だけど、弱り目に祟り目ってやつだな。人間、落ち目になってくると叩かれやすくなるってことだ。緑子もああいうキャラだから、色んなヤツに恨まれてたんだろうな」
「じゃあ、その後の事故っていうのは」
「フラフラ車道に出ていったらしいけど、自殺未遂か事故かは緑子本人しか分からないだろう。俺は勿論、リベンジポイントも一切関わっていない」
「こんなことって、あるものなんだね」
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