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「緑子という存在は、親というバックボーンと、才色兼備の本人で構成されていただろ? 親が失墜して、美貌が陰ればあとは落ちるところまで落ちたってことだろう。プライドが高いだけに、惨めな自分を認められなかったんだろうな。俺が描いてた構図とは違うし、満紀の希望とも違うが、これで緑子への復讐は完了でいいと思う。この先、緑子がこの状態から立ち上がってまだ満紀に何かするというのは考えられないからな」
「そっか……終わったんだ……」
嬉しいような虚しいような何とも表現したら分からないような気分だった。3段目までは確かに満紀が望んだリベンジだったはずだが、その後は緑子が勝手に転げ落ちて行ってしまったからだろう。
「なんだ? 後悔してるのか?」
「全然、これで緑子さんが以前みたいに威張ることはないだろうし、緑子さんのグループもバラバラになるよね、きっと。だからこれで一安心できるよ」
「ああ、緑子も十分に落ち込んだだろうから、仮に満紀に何かしようとしてももう手駒が動かないだろうし、自分のことで手いっぱいでそもそもそんな気力も残ってないだろう。もし残党が満紀に悪さをしようとしたら、残党狩りをするまでだが、そうならなければ、とりあえず一段落だな」
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