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見つめ合ったまま…自然と唇が重なった…。
軽く触れただけでも、電流が走ったように体中が熱くなるのを感じた。
優衣の唇は柔らかくてとても優しい…
吸い上げるとプルっとして、それがまた心地よい。
軽く吸い上げてゆくと、もっと…もっと…優衣が欲しくなって。
ついばむように激しく吸い上げて行く哲司…。
ギュッとしがみ付いてきた優衣を感じると、嬉しさが込みあがってきて。
哲司はそのまま優衣の口の中まで全て覆いつくすように、犯していった。
寝室に響く2人のキスの音。
チュッと軽い音から、チュルっと激しい音に変わってゆく…。
もっと…もっと欲しい…
優衣の口の中はとても心地よく、結花とキスした時よりも体も心も喜んでいるのを哲司は感じた。
これが本当にキスなのだろう。
心から好きな人とキスをすると、こんなに体から喜びを感じるのか。
何度も…何度も…求めあうキスを繰り返していた哲司と優衣。
結婚して3年。
初めて本気のキスをした日だった…。
午後になり。
夜勤明けの結花は部屋でずっと寝ていた。
孝治のお昼ご飯は哲司が作る事になり、介護食は何を作ればいいのか分からず戸惑っていた。
すると孝治がキッチンへとやって来た。
「哲司、お昼はお前が作ってくれるのか? 」
声をかけられ、哲司はっちょっと照れ臭そうに頷いた。
「あいつ、熱出して寝込んでいるし。結花は夜勤明けで、寝ているから」
「そうか。私は何でも構わないよ、食べやすいように小さく切ってくれればそれで構わない」
「そっか…。とりあえず、冷蔵庫の中のもので作ってみる。ちょっと、待っててくれ」
冷蔵庫を覗いた哲司は、材料を見て何を作ろうか思案していた。
そんな哲司を見ていると、孝治はどこかホッとしていた。
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