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あなたへの最大の復讐…
それから数日後。
あれから結花はずっと家に帰ってきていない、友達の家に泊っているからと言っているが、哲司の病院にも出勤してきていない。
夜勤専属の病院へは出勤しているのだろうか? と思われたが、詳しい事は分からないままだった。
今日は休日で病院も休み。
哲司は家でのんびり過ごそうかと思っていた。
だが…。
「こんにちは、お邪魔します」
突然訪ねてきたのは夏樹だった。
「夏樹先生、今日はどうしてうちに? 」
「孝治先生に呼ばれたの出来ました」
「親父に? 」
「はい、大切なお話があると言われましたので」
大切な話?
哲司が驚いていると、奥から車いすに乗って孝治がやって来た。
「夏樹先生、よく来てくれたね」
「ご無沙汰しています、孝治先生」
なんとなく2人間に親し気な雰囲気を感じた哲司。
「お邪魔します」
夏樹は孝治と一緒に部屋に向かって行った。
何となく違和感を感じながら、哲司はリビングに来てテレビをつけてみた。
(…逮捕されたのは藤木結花48歳で。10年以上に渡り、後妻業として数多くの資産家を狙い多額の資産をだまし取ってきたと断定され、昨夜逮捕されました…)
ニュースを耳にして哲司は立ち止まりテレビを見た。
テレビの報道には結花の写真と年齢が映し出されていた。
詳しく見ていると。
今回被害を名乗り出たのは、源昭三(みなもと・しょうぞう)68歳。
銀行頭取で財閥党首だが、妻は5年前に他界している。
子供は海外に住んでいて、多くの土地や株を持っているお金持ちで再婚相手を探していたところに結花が近づいてきた。
親密になり結花から「結婚して下さい」と言われた昭三だったが、年齢を36歳と言われ違和感を感じた。
その為調査会社に依頼して結花を調べたところ、結花のとんでもない過去が明るみになって来た。
様子を見ていると「結婚するなら、土地名義は私に変えて」と言い出した結花。
他にも肖像に黙って1億近い保険金をかけようとしていたりと、不審な動きがあり警察に相談しながら交際をしていた。
昭三の食事をいつも作っていた結花だったが、どうも味がおかしいと感じた昭三はこっそり調べてもらうと微量の毒薬が検出された。
それを警察に提出して、他の人からも被害届が出ている事から結花をマークしていた。
結花が昭三に「婚姻届けを書いて」と迫ってきて「戸籍を見せてほしい」と言ったところ顔色を変えた事から調査結果を警察に提出した。
警察では証拠を固め結花を逮捕に踏み切った。
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