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その後。
哲司と優衣は駅前のレストランで一緒に食事する事にした。
哲司がお気に入りの和食のお店で、ゆったりとした個室の席に案内してもらい、お勧めの懐石料理を食べる事にした。
「今日はお祝いだ。アルコールは飲めないが、遠慮なく食べてくれ」
「はい…」
2人で外食するのはこれが初めて。
結婚しても2人で出かける事なんてなかった。
外食なんて考えた事もなかったのだ。
食事をしながら2人で、離れていた半年間の事を話した。
哲司は、優衣がいなくなり家の事を全部やらなくてはならなくなり仕事と両立するのが大変で慣れるまでご飯はスーパーの総菜ばかりで、休みの日にはデリバリーをとる日も多く孝治の食事は介護食専門の宅配を利用していた事が多かった。
ショートステイを孝治が利用するようになり、少しは楽になったが、溜まっている洗濯物をしたり家の中を掃除したりとなれなくて大変だったことを話した。
優衣は、離婚届を記入して家を出た後。
暫くは実家に戻っていたが、すぐに一軒アパートを借りて一人暮らしを始めた。
シワだらけの顔では何も変わらないと思い、エステに通ったり、美容液などを試しながら肌を若返らせてゆく事に努力していた。
仕事は以前勤めていた弁護士事務所で短時間だが、仕事をするようになったが、妊娠が判り量を減らしながら仕事をしていた。
エステや美容液などの効果もあり、いつの間にかシワもほうれい線も消えていて自分でも驚いたくらいだった。
子供は一人で産んで一人で育てようと決めていたが、法律上では離婚して半年以内に妊娠が判った場合、元夫の子供になる事からどうしよかとも思っていたと。
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