私の相性

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 …………ところで。  私が先ほどどうしようと思わず呟いたが、それは何も、父親だけの話ではないのだ。私は悩みがつきない性分だからか、それが何かと訊ねられれば、少なくとも快速電車のようには応答できると自負してある。  私が子供を育てられるのだろうかと、そんな心配も勿論ある。しかし私はそれよりも勝る不安があった。  困ったとき、私は誰にも頼れない。  ――友達が、いないから。  あるいは、父親問題よりも深刻かもしれない。  少し離れた場所では、わいわいきゃあきゃあと無邪気に騒ぐ子供達の声がカラスに負けじと響く。  彼女達は、友達といえる関係性なのだろう。  「ずる…羨ましいな…」  私だって、一人が好きなわけではない。むしろ中学一年くらいまでは休み時間、男女問わずサッカーやらで馬鹿みたいにはしゃいでいた。  「人間、一人でいられるのも案外良いことなのよ」 「なんで?」 「お母さんがそうだったからよ。お母さんは友達作るのが苦手だったからね、友達付き合いをやめたのよ。でも後悔はしてないわ」  そう他愛ない会話をしてから、私は友達をゆっくりと、しかし確実に避けていくようになった。  そのせいか、今は頼れる人は誰もいない。誰の連絡先もない。  誰でも電話できるような、相談しても良い場所に連絡をいれてみようか。でも何を話す?友達がいない、夫がいない、父親もいない、不安でたまらないと?それで励まされたとして、私は嬉しいのか?寄り添われたとして、解決策は出ないんじゃないのか。
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