仲良くするには程遠い

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「……お前、いい加減学習しろって」

　私はしょんぼりして自分の足にすり寄ってきた愛犬の頭を撫でながらため息をついた。真っ白なオスのチワワは、くうーん、と悲しそうな声で鼻を鳴らしている。ちら、ちらっと娘に占領された寝床を見ながら。
　毎晩恒例の、親子喧嘩。今日も今日とて、父親の敗北で終了したらしい。というか、一方的に父親が寝床を追い出されて終わっている。何故もう一つベッドは用意してやっているのに、こいつは娘と同じベッドで寝たがるのか。
　そもそも。

「チワワのお前が、秋田犬ハーフの娘に勝てるわけないんだからね？」

　父親、チワワ。母親、秋田犬。娘ちゃんはがっつり、秋田犬寄りのハーフ。そりゃ勝てるはずもない。
　それでも毎晩娘にラブラブアタックを仕掛ける犬は、ただのアホとしか思えない飼い主であった。