終わりのない夢

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僕の名前は『来夢(らいむ)』、東京の4年制の大学で情報工学を学び、卒業後は山梨県南巨摩郡身延町の実家に戻って山梨県甲府市のコンピュータメーカーに就職した27歳の男性会社員だ。 身延線の身延駅から甲府駅までは1時間30分程度電車に乗るけれど、将来のために貯金したい僕は少し遠いけれど家賃節約のために実家から頑張って通勤している。 少し肌寒くなってきた9月末の週末金曜日、僕は職場で異動することになった同僚の送別会に出席した。 1次会と2次会に参加したけれど電車で帰りたい僕は2次会の途中で抜け出して、なんとかぎりぎり身延行きの終電に間に合って甲府駅から電車に乗り込んだ。 この日の僕は少し飲みすぎたようで電車に乗って次の駅に着く間もなく、いつの間にか眠り込んでしまったようだ。 僕はぐっすり眠り込んでしまったようで、車掌さんから声をかけられた。 「お客さん、終点の身延駅です。」 ハッとして目を覚ますとそこは身延線の電車の中で、僕は何か夢を見ていたようだけれどまったく思い出すことができなかった。 電車の中は少し肌寒いにもかかわらず、僕は何故か額に冷や汗をかいていて、その理由は全くわからなかった。 「すみません!」 僕は車掌さんに謝って電車を下車して自動改札を出て身延駅の建物を出ると、僕はいつもより街灯が薄暗いような違和感を感じた。 僕がふと腕時計を見ると、時刻は午前0時を過ぎたところだった。 身延駅の建物を出た僕は右方向に向かってタクシーのロータリーの右側に沿って歩き、身延駅前の商店街に出た。 もう酔いはさめているはずだけれど、僕は最近目にする商店街ではなく、少し古びたお店が立ち並んでいるように感じた。 少し不安を感じながら僕はいつものように道路を渡って右方向に道路の左側を歩いて、身延駅前の商店街を抜けると交差点に差し掛かった。 交差点の横断歩道を渡って左方向に道路の右側を歩いて富士川にかかる橋を渡って、県道9号線をまっすぐ進むと『大野トンネル』に入る。 この辺りは周りに何もなくて暗いためか、歩きながら少し上を見ると星がきれいに輝いていた。 『大野トンネル』に入ると出口が見えるが、僕はトンネルの薄明りの照明を頼りに、歩道をまっすぐに歩いた。
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