終わりのない夢

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「お客さん、終点の身延駅です。」 ハッとして目を覚ますとそこは身延線の電車の中で、僕は何か夢を見ていたようだけれどまったく思い出すことができなかった。 電車の中は少し肌寒いにもかかわらず、僕は何故か額に冷や汗をかいていて、その理由は全くわからなかった。 「すみません!」 僕は車掌さんに謝って電車を下車して自動改札を出て身延駅の建物を出ると、僕はいつもより街灯が薄暗いような違和感を感じた。 僕がふと腕時計を見ると、時刻は午前0時を過ぎたところだった。 身延駅の建物を出た僕は右方向に向かってタクシーのロータリーの右側に沿って歩き、身延駅前の商店街に出た。 もう酔いはさめているはずだけれど、僕は最近目にする商店街ではなく、少し古びたお店が立ち並んでいるように感じた。 少し不安を感じながら僕はいつものように道路を渡って右方向に道路の左側を歩いて、身延駅前の商店街を抜けると交差点に差し掛かった。 交差点の横断歩道を渡って左方向に道路の右側を歩いて富士川にかかる橋を渡って、県道9号線をまっすぐ進むと『大野トンネル』に入る。 この辺りは周りに何もなくて暗いためか、歩きながら少し上を見ると星がきれいに輝いていた。 『大野トンネル』に入ると出口が見えるが、僕はトンネルの薄明りの照明を頼りに、歩道をまっすぐに歩いた。
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