黒猫

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クロの成長は早く、5ヶ月ぐらいで1人前になっていた なかなかのイケメンで首輪は赤色 、鈴は金色 青い目は 美しい宝石のようだ 日夜、部屋干し用のバスタオル掛けの隙間に 脇からぶら下がり、腕の筋トレがクロのお気に入りだ ロッキーのテーマ曲が聞こえそうな感じだ 「そんなに筋トレして誰に見せるの?うふふ」 ジャガーの様に厳つい肩、真っ黒な毛艶、目は青 長いシッポ、しなやかな身体、申し分無しだ ウチの子が世界一可愛いと、何処の飼い主も思う 事だろうが...... 舞もその1人である クロが来て2ヶ月経つ頃から、クロはベットで 走り回ったり、低いテーブルに登ったり カーテンにぶら下がる事は絶対しなくなった 舞の躾が上手くいった様だ 今では、舞が仕事に行く時は必ず玄関迄見送り 帰って来た時も、きちんとお座りをしてお迎えをしてくれる 足に体を擦りつけ、ゴロゴロ喜ぶ キャットタワーで爪とぎし、トイレも綺麗に 使っている 今では自分の、ハウスで寝ている 髪の毛を引っ張って起こされる事も無くなった 躾は完璧だ。 ただ、ベットに飛び乗って起こされるのは 相変わらずで、寝ている舞の体を目掛けて 飛び乗って起こすのである 「うっ!クーロ!もう少し寝かせてぇ」 クロはその後必ず、舞の頬にスリスリしながら ゴロゴロ喉を鳴らし甘えて来るのだ 「うふっ 分かったから起きるよ」 顔を洗いクロのマンマの用意をする ニャ~と鳴きクロはお座りして待っている 舞のしつけは大したものだ 「ハイ、お待たせ!マンマだよ~」 クロはゴロゴロ喉を鳴らしながらゆっくり食べている 舞はサラダとコーヒーとバタートースト 茹で卵、を食べながら、テレビを見る これが毎日のパターンなのだ。 少し変わった所は、何も無い同じ所をじっと見ている 「クロ何か見えるの?ねえ、クロ?」 耳さえ動かさずじっと見ている 動物には何かが見えているのだろうか 動物を飼った人なら、経験した事があるだろう 今迄飼った猫や犬達も、同じ様に何処かを見て いたが呼ぶと直ぐ、振り返り遊んでいた しかし、クロだけは違った 舞は四つん這いになり、クロが見ている所を 見たがこれといって変わった所は無い 見えるのはタダの部屋の壁だけだ パソコン台にカレンダー、時計、クロとピンキーの写真が飾られているぐらいだ クロは身動ぎもせず、ジッと見ている 「クロなんなの?変な子ね、うふっ」 舞は気にもせず、クロの頭を立ち上がり際に 撫でた その時、視野の横に何かが見えた様な気がした 「え!」 壁を見る 「気のせいか、馬鹿みたいアハハ」 クロは、何事もなかった様に舞に甘えて来たが クロは確かに、何かを見ていたのだった
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