黒猫

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久しぶりの外食に拓も舞も、オシャレして街に出た 肉に飢えていた拓は、ステーキハウスで美味そうに頬張る 舞も久しぶりの肉に、舌鼓を打った 「ワイン呑めよ」 「拓がめば?車は私が運転するから」 「いいか?悪いな、ワイン下さいグラスで」 舞も呑みたかったが、拓がいつも病院で忙しく 働いて、かなり我慢していたのを知っていた 「帰りに買って帰るよ、部屋でガバガバ 呑んじゃうから、遠慮なくどうぞ」 「ワインは、ガバガバ呑むもんじゃないぜ」 「いいじゃないの、好きだもん」 楽しく食べ終わると、拓が真剣な顔で舞に聞いた 「舞、俺に言いたい事ないか?」 「突然何?」 クロが来てから、舞の態度が気になっていたのだ 「俺心配なんだ、舞は嘘つくと顔に出るから 何か隠し事をしてるんだろ?」 舞は驚いて拓を見た 「何で分かるのよ、嘘なんか......」 クロの言葉を思い出し、言うべきか悩んだ ここでは話せないと判断し、帰ってから話そうと 思った 「拓出ようか、ご馳走様でした」 「お、おお、いいけど」 舞は車に乗り運転しながら、言うべきか悩んだ 途中でワインとビールを買い、家に帰ってから 話そうと思った 信じてくれるだろうか?気味悪がるのでは無いか 色々と頭の中で、考えていた 拓は舞のそんな姿を見て、余程の事だと思った 車の中では、何も聞かない様にした 「肉、美味かったなぁ」 「うん!最高だったね、又行こうね」 たわいない話しをして、家に着いた 「無事帰還したよ」 「俺だけ呑んで悪かったな」 「いいよ、今から呑むもん」 「あ、そうだったな」 車を駐車場に入れて車を降りた 「拓、部屋に来てくれる?」 「いいけど皆に、噂になっても知らねえぞ」 「平気だよ、気にしないもん」 舞は決心し、舞の部屋に拓を招き入れる 「ミヤ~ミヤ~ン」 (おかえり舞!拓が来た!話したニャ?) 舞は首を振った 「ただいまクロ、遅くなってごめんね」 「クロ、留守番寂しかったろう、ごめんな」 「ミヤン」 クロは拓の膝にチョコンと座り、ゴロゴロ喉を 鳴らし甘えていた 「クロはいい子だな、ヨシヨシ」 優しくクロを撫でながら、拓は舞を見た 様子が変な感じで、落ち着かないようだ 「舞どうした?」 舞はビールをコップに入れると、椅子に座って 一気に呑み干し、コップをテーブルに置いた テーブル越しの拓に話した 「拓、真剣に聞いて欲しいの」 「ああ、どうした?」 クロが死に、帰って来た事、クロと話しが出来る事 異世界から来た事全てを話した 拓は半信半疑の様だったが 舞の真剣な顔を見て、真実を話していると思った 「舞、俺にもビールくれ!」 舞はコップにビールを注ぐと、拓は一気に呑み干し大きく深呼吸した 「マジか?クロが話すのか?本当か クロ、俺に話してくれよ」 「ミヤ~ミヤ~ォ」 「猫じゃん!」 「まだ、無理だって言ってる」 「舞には本当に分かるのか?」 「うん、信じてくれる?」
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