黒猫

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「いつか俺にも、話しが出来る様になるのか?」 「ミヤン」 「なんだって?」 「心と絆があれば通じるって」 「どうしたら、絆って出来る?」 「ミヤ~ォミヤ~ォ」 「クロ、本当?出来てるの?」 「ニャン」 「なんだよ、何て言ったんだよ」 「絆は出来てるって、心で聞けって」 「俺とクロが絆で?心で聞くってどうよ?」 「私にも分からないのよ、それが! ただ、会いたいって気持ちしか無かったから 帰って来た時に、話せたんだもん」 「よく分からん!いつか分かるのかな?」 「多分......」 「それはクロだけか? 他の子達とは話せるのか?」 「ニャ~ニャン」 「何匹位いるの?」 「ミヤ~ミヤ~ニヤ~」 「そうなの?へえ〜」 「どうよ?」 「特殊能力のある子だけだって 世界中に沢山いるって 気づける人は、少ないみたいだけど」 「へえ~スゲェな、動物達と話せたら病気も 手術も的確に早期発見出来るのにな」 「そうだね、クロ聞きたいんだけど よく壁見てるよね?何見てるの?」 (ご先祖さまとか、悩んだでる猫や犬、動物達 昔の飼い主、神様かニヤ) 「じゃあ、恵美やピンキーにも会ってるの?」 (うん) 「ええ、私も会える?会いたい!」 (うん、いいよ、僕に触れて目を閉じて 拓も会いたいなら一緒にいいよ だけど1回しか会えないよ、それでもいいニャン?) 「どうして?」 (迷ってしまうから、帰れなくなるんだよ それにあまり長くは、会えないニヤィよ) 「そうなんだ.....一度でいいから会いたい」 「いつまで何言ってるんだ?俺にも聞かせろよ ニャアニャアしか、分からねえじゃないか!」 「あ、ごめんね、拓は恵美と会いたい?」 「恵美と会えるのか?そりゃ会いたいよ 葬儀に出れなくて、謝りたいんだ」 「じゃあ拓、私のする通りしてね」 「えっああ、分かったけど何が起きるんだ?」 「拓いいから、黙って言う事聞いて」 「分かったよ」 舞はクロの背中に手を当て、瞼を閉じ大きく 深呼吸した 拓も舞と同じ様にした 何も無い空間から、懐かしい場所がボンヤリと 浮かんで来る 舞と拓はゆっくり目を開けた 恵美が現われた 舞は恵美に駆け寄った 恵美も両手を広げて駆けて来た 「拓、恵美だよ、恵美~会いたかったよ」 「舞、私も会いたかったよ ごめんね、辛い思いさせて、ごめんね舞」 舞と恵美は抱きあった 「恵美!本当に恵美なのか?」 「そうだよ、デブゴン久しぶりだね」 「本当に恵美だ!マジか舞、俺にも恵美が見える 俺、夢見てるみたいだけど、本当に恵美だよな 恵美、葬儀に行けずに、ごめんな」 「気にしてないよ私、舞も拓もずっと見てたよ クロちやんが時々、教えてくれたんだよ 二人仲がいい事も、翔真さんの事も ママ達にも、おばちゃん達にも会いに行ったよ 眠っていた時しか会えなかったけど みんなクロちやんが、話してくれてたんだよ」 「ピンキーは?」 「ママの所に、行ってるでしょ?」 「じゃあ、あの子は本当にピンキーなんだね? おばちゃん、凄く喜んでたよ」 「知ってる、舞が見つけてくれたんだよね」 「恵美、そっちで寂しくないのか?」 「うん、結構いい所だよ、もう時間が無い」 恵美は、舞と拓の手を重ね両手でぎゅっと 握り締めた 「私の為に舞は、幸せになっては行けないと 思ってるんでしょ? 舞は何も悪い事してないんだよ 一人で抱え込まないで、私がそんな心の狭い 女と思う? 誰よりも、舞の幸せを望んでいるんだよ 舞、もっと素直になりなよ? 拓、舞を頼んだよ、約束して」 「ああ、任せろ」 「恵美、もう行っちゃうの?嫌だよ!」 「二人が幸せになるの、ずっと見てるからね」 「ママ達にも、時々会いに行ってやってね 舞、拓さようなら、......元気でね.....舞...」 「恵美!恵美~行かないで嫌だ~恵美〜」 「舞、やめろ!恵美だって辛い筈だ! 恵美、俺達は恵美の事忘れないよ......さようなら」 恵美の姿は、笑顔で手を振りながらスーッと 消えて行った.....
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