◇カレー戦争・カレー和平

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 僕とヴィクターが掃除を終えて厨房にやってくると、アインさんとジェドさんの二人は既にカレーの準備に入っていた。  冷蔵庫を開ければ冷えたサラダが大量に準備されている。どうやら他の仕込みは既にある程度終えているらしい。  カレーを作り始める為の準備は万端って事だ。  冷蔵庫の確認をしていた僕は、ボウルの中にある謎物体に気づく。黄色くて白い謎の液体と、何かが入っている。 「あ。なんだろ、これ?」 「どうしたの? ……ああ、それバターチキンカレー用の鶏肉だよ」  のぞき込んだヴィクターが、僕に教えてくれた。 「え?」  もう一度見ても全然カレー用って感じがしない。鶏肉を何に漬け込んでいるんだろう? 「それは、ヨーグルトとカレーのスパイス各種、それからショウガを混ぜたものですよ。鶏肉と一緒に漬け込むと、肉が柔らかくなりますから」  作業の手を止めて、ジェドさんが僕に教えてくれた。  ヨーグルトとカレーって、意外といえば意外な組み合わせだ。  それにしても、カレーのスパイスっていったい何だろう。カレー粉のことだろうか。 「あー、今日使うのはターメリック、クミンシード、カルダモン、カイエンペッパー、ガラムマサラ、それにシナモン、コリアンダーとかですよ。この辺どれ入れるかは結構人によってまちまちですけどね」  僕の微妙な表情を察してか、ジェドさんが細かく種類を教えてくれた。シナモン以外は正直初めて聞くような名前だった。 「随分いっぱいあるんですね……」 「やっぱりカレーと言えばスパイスが決め手ですから。……まあ、全部一つになったカレー粉も売っているのでやり方によってはそこまで手間ではないんですが。……今回は全部一から入れましたけど、場合によってはウチもカレー粉を使う時もありますし。必須のもの以外は概ね好みでしょうか」  つまり、今のスパイスを合わせたものがカレー粉みたいなものってことなんだろうか。多少誤差とかはあるんだろうけど。
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