終息

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終息

「どうやって?」 茜が最もな事を言った。 確かに携帯でも写真は現像出来るが、カメラと違い、どいつか1人抜けて写メを撮らないと写真は現像出来ない。 「山村先輩、僕達とは高校生の時、撮った写真が在るでしょう。茜さんとだけは、まだ写真がない様でしたら、僕がお2人の写メを撮りますが?」 鈴木の言葉に山村と茜は対象的な反応をする。 「やったあ!茜ちゃんとのツーショット写真だー!」 「私達だけなんて…そんなの悪いです」 「俺らは既に撮っているからな。茜さん、遠慮すんなよ」 茜は少し恥ずかしそうに言う。 「そう言う事でしたら…」 「じゃあ、鈴木くん、この携帯で茜ちゃんとの写メ撮って」 山村が渡した携帯で鈴木は本当に写メを撮ってやった。 そして、楽しい時間は、あっという間に過ぎ去っていった。 数年後。 「「行ってきまーす!」」 俺が開店の準備をしてると小学生の娘…雅(みやび)と香澄が、それぞれの学園に向けて出て行く。 パラサイトの予防接種が出来るようになり、99.9%元の日常に戻った。 テレビでも終息宣言が政府から出されて、雅はパラサイトがどんなもんか、想像も出来ねー様子だ。 俺は今にして思えば、パラサイトの化け物に遭遇したのは夢だったんじゃないかって思えてくる。 だが、あの時、山村が撮った映像をパソコンで見る度にゾッとした。 もう2度と、あんな映像は見えない様に祈るばかりだ。 と、その時、玄関のチャイムの音が1階まで聞こえてくる。 香澄か雅が忘れ物でも取りに来たのかと思ったが、2人共、玄関の鍵は持っている筈だ。 だとしたら、こんな朝早くから誰だ? 不審に思いながら、玄関のドアの覗き穴を覗いたが、誰の姿も見えなかった。 ピンポンダッシュかよ。 俺は子供でも悪戯したんだろうと思い、ドアを開けて怒鳴ってやろうかとしたが、誰も居ない。 逃げ足の速いクソガキめ。 俺は舌打ちをしたが、腕時計を見ると開店時間間近だったので、足早に店に戻る。 そして手早く開店準備を整えて、中からシャッターを上げた。 その時、俺が見たもんは、花を手に、小さな化け物が店の向かいの家をピンポンダッシュした光景だ。 セカンドパラサイトの始まりだった…。 完
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