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昔々の刀のお話
……というか、昔の遺物で刀が一番好きなんです。
例えば、古代エジプト展で言うと、展示されてるアクセサリーとか石板も見てて楽しいですが、当時使われていた武器やハサミなどを見るのが好きなのです。
私が日本刀が好きになったのは、小学校に入るかどうかの頃です。
母方のお爺ちゃん家で御守り刀をちょっと見せて貰ったのが始まりです。
白い塗りの柄と鞘、当時の記憶なので曖昧ですが大きくない短刀だったと思います。
田舎なので、冠婚葬祭のために出してきた時だけ見せて貰いました。
時代劇の中でだけ見ていた物が目の前に有るというのは、子供心にワクワクしました。
小学生時代に親戚の納屋を解体した時に見付けた小刀を研いでみたり(錆びすぎて復活は無理だった)、祖父の兵隊時代から持ってるナイフみたいなのを使うところを見せて貰ったり。
大人になってからは、刀剣博物館に暇を見付けて通い、フェアが有れば身内を引きずって行きました(笑)
もちろん、刀がメインのゲームにハマるずっと前の話です。
実は、リリース当初に頑なにプレイ情報を見ないようにもしていたんですが、見たら最後ハマると判っていたからです(笑)
日本刀の話に戻ります。
あまり専門的なのはサッパリですが、刃に出てる刃紋、切っ先の形、溝の加工や反り方で大分印象が違ってくるのです。
刃紋でシンプルなのは直刃という真っ直ぐな凸凹の無い刃紋です。
刃紋は炎を入れる時に泥を置いて、固くて鋭い部分と比較的気持ち柔らかい部分を別けて柔軟性を持たせて、切れ味を持ちながらしなやかな刀を作る時に出来るそうです。
ということは、真っ直ぐに歪み無く同じ幅に塗らないといけないので、見た目のシンプルさから簡単そうに見えても物凄く難しいのではと思うのです。
派手な刃紋も各々バランスや偶然出来た模様で、美しく且つ鋭い逸品になっていると思うと、五分や十分眺めるだけでは足りません。
刀のイラストで良くある、波波した模様も細かかったり大きくゆったりしていたり同じ模様の種類でも印象は違ってきます。
今まで見た中で一番派手な刃紋なのは、山鳥毛という国宝です。
他の刀が背の部分まで刃紋が迫ってきてないのに対し、この刀はかなりギリギリまで刃紋が大きく豪快に細かく波打って入っています。
キジや山鳥の尾羽のように見えるので、こう呼ばれるとか一説に有ります。
豪快に派手で、しかし上品で神々しい。
刀の先端、切っ先も細い物やゴツいもの、形も様々です。
刃先がちょっぴりふっくらしているもの、逆に鋭角なもの。
細く小さいものや大きく長い切っ先のもの。
胴の部分と同様、刃先の刃紋の形も様々です。
専門的な名称やなんかも有るのですが、知らなくても十分楽しめます。
同じ長さでも、切っ先が小さくてふっくらしてるのは何だか可愛い印象ですし、大きくて鋭いとかつての持ち主も豪快に振り回してる印象が有ります。
見ていて格好良いなとか、華奢だなとか、この形変わってるなとかくらいで、好みのものを見付けて綺麗だな~、と眺めるくらいで良いんです。
本体だけでなく、鞘や柄、鍔の模様や細工も見ていてとても楽しいのです。
鍔の彫刻で、葡萄とリスが描かれているものは、言葉遊びのような感じで『武道に律す』という意味が込められていると聞きました。
すごく可愛い絵柄なのに、意味がストイックじゃないですか?
ハートのような模様の付いた鞘や柄も有りますし、螺鈿細工の鞘で光に当てると青いラメ模様になるものも有ります。
全体的にテーマを決めて、柄から鞘の先端に向けて水面から竜が天に昇ってる風に装飾してるものもあるのです。
パーツによっては小さいものですが、よく見ると細かく彫刻してあったり模様描いてたりで飽きません。
そういった刀装の図鑑や実物も見ていると時間が経つのもあっという間です。
持ち主の由来とか知って、ワクワクしたり、絵柄の意味やストーリーを知って、成る程とまた見直したり、好きな人には刀剣を見てる時間はいくら有っても足りないのです。
どんどん新しく展示会や図書の図鑑で知る刀や装飾品が出てくるので、鑑賞するネタは尽きません。
しかも困ったことに、お気に入りのものは何度でも見に行って、その度に長時間眺めてしまうのです。(とか言いつつ全然困ってないんですが。寧ろノリノリで見に行ってましたw)
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