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だが、ここで棚瀬がある事に気が付き反論した。
「しかしまだ望月大臣が生きておられますが」
「そうだな。だからまだ間に合う可能性だって有り得る。SPの警護を強化させるか、または大臣に説明して外出を控えさせるか。俺の予想ではどちらもいやがるだろうがな」
確かにそうだ。
もうすぐ衆議院議員総選挙が始まる。
一番大事な時期に警護や、外出禁止令などされたら票に影響が出てしまう。
命の方が大事な時もあるのに……
等と考えてると棚瀬が私を呼んだ。
「捜査一課長、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。どうかした?」
「それで今後の方針は如何します」
棚瀬は私に今後の指示を仰いだ。
私はふいに影原警視正に目をやった。
影原警視正は棚瀬の方を向きこう言った。
「とりあえず望月大臣を監視しよう。すぐにバレると思うがやらないよりはマシだ。警護課に話をつけといてくれ」
「了解しました」
「それから雪城班は高千穂真美代を最近の動向を調べてくれ」
「わ、わかりました」
雪城は返事はしたものの、内心は戸惑っていた。
この事件に女流作家が絡んでいるのか。
彼は私に助けを求めんと、私の目を見た。
私は雪城の代わりに言った。
私も気になってたし丁度よかった。
「影原警視正、そろそろ話してくださいませんか?2007年の事件を」
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