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事件は終息の道を一途に歩んだ。
主犯格の大鹿道隆、並びに冨屋淳弥。
そして高千穂真美代を逮捕した夜……
私と影原警視正は千葉県警と協力して、高千穂の別荘にある地下室の現場検証を行った。
地下室に入った瞬間、どこかで見た風景だと違和感を感じた。
その違和感はすぐに分かった。
第2の被害者、青山正樹が殺された場所だ。
つまりここで殺人が行われたのは事実のようだ。
それを物語るように、地下室の壁一面は薄い赤色に変色しており、明らかに血を拭き取った跡が残っていた。
鑑識によると当然、それらの血液は被害者の物だと判明した。
他にも被害者の指紋がついた椅子等が発見され、
更にロッジの隣にあるガレージの中には白のワンボックスカーを発見した。
そして影原警視正が持ってきた日本刀。
案の定、刀身には最期の被害者となった有馬次席の血液が検出され、柄には大鹿の指紋も検出された。
次から次へと見つかる証拠の品に犯人達は為す術なかった。
最初から容疑を自供した高千穂真美代は別として、完全黙秘を貫いていた冨屋は犯行を素直に認め、我々の取り調べにも快く応じてくれた。
そして当初、容疑を否認し続けた大鹿も認めざるを得なかった。
こうして世の中を震撼させた『首切り役人殺人事件』は一応の幕を下ろした。
だが、私達にはまだやり残した仕事があった。
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