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ところが事件発生の5日後……
早朝、池袋のコインパーキングでランニング中の老人が皮膚のない男性死体を発見。
再び事件が起きてしまった。
今回も頭部を除く、身体の皮膚が綺麗に剥ぎ取られており、被害者の顔は穏やかな顔をしていた。
麻酔で眠ったまま息を引き取ったのだと検視官はそう述べた。
そのお陰という訳でもないが、身元はすぐに判明できた。
被害者は河辺庸太さん。
50歳の中年男性であり、彼もまた池袋公園に屯していた浮浪者だった。
彼の為人、事件前の経緯についてはこれから聞き込み調査に入るが私は内心、焦っていた。
警戒を強化したにも関わらず事件が起きてしまった。
これは棚瀬に命じた私の落ち度だ。
しかしそれでも事件は起きた。
一途の不安は疑惑へと変わる。
棚瀬は私の命に従ったのだろうか………
命令を無視して、1人で勝手に捜査の指揮をしたのではないのか。
あの男が私を見下しているのは知っている。
私に手柄を渡したくはないのも知っている。
そしてそれが上層部の本心である事もだ。
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