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いいや、やめとこう。
影原警視正だったら、勝手に自分の推理を披露するに違いない。
とにかく今は棚瀬との連携を図ろう。
本部と捜査一課長の足並みが揃わないと、事件は一向に解決しないし士気にも関わる。
あの男だって手柄が欲しくて捜査本部長を引き受けたんだ。
良い経験にもなるし、犯人を挙げれば当然、出世が早まるからだ。
しかしその出世も結果を出さなきゃ意味を成さない。
新たな殺人が起き、きっと行き詰まっているに違いない。
それに棚瀬が結果を出さなきゃ、彼を捜査本部長に任命した私にも責任転嫁を問われる恐れがある。
本当は上層部に言われて、私は彼に陣頭指揮を任せる事にしたが、そんなのは理由にはならない。
上層部はきっと知らぬ存ぜぬで通すからだ。
棚瀬が焦って何らかのミスを犯す前に、手段を講じなくては………
しかしその棚瀬が私の忠告を無視し、勝手な行動をしているのならば………
考えを改めなくてはならない。
私は松島を呼び、棚瀬をここに呼び出すよう命じた。
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