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「望月大臣。高千穂真美代。この2人に2007年の事件を尋ねましたよね。確かに望月大臣は当時の捜査一課長でした。しかし高千穂真美代がどこで絡んでいるのか。その謎を警視正は知っているはず」
まだ謎はある。
「先程の大鹿検事の聞き取り。あなたはわざと鞄を落とし、『梟首の男』を見せた。その真意は何ですか?大鹿検事と高千穂真美代。この2人は事件に関わりがあるのですか?」
私の問いかけに影原警視正は少し黙っていた。
だが、手に持ったカフェオレを一気に飲み干すと、ゆっくりと口を開いた。
「いいだろう。そろそろ話す時が来たようだし、お前達にも知っておくべきだ」
そう言った瞬間、私は息を飲んだ。
それは近くにいた棚瀬、雪城も同様だった。
「だが、俺は終盤辺りで捜査に加わった。事件の概要も勿論話すが当時の捜査の模様をこの眼で見てないから詳しく話す事はできない。同僚の話を聞いてただけだ。それでもいいなら話すぞ」
「ええ、お願いします」
私は即答で答えた。
棚瀬も雪城も影原警視正に頭を下げた。
「いいだろう。まずは2007年の3月まで時を戻すとしよう」
影原警視正はゆっくりと語り出した。
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