プロローグ

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「甘い物が大好きなのは相変わらずですね」 私は運転しながら助手席でエンゼルフレンチを頬張る影原警視正に言った。 「あのつぶつぶの食感がないと捜査に身が入らん」 ――全く、子供か……… グチグチとボヤく影原警視正に呆れてものが言えなかった。 「何言ってるんですか。謎解きも好きなくせに」 信号が赤になると同時に私は後ろの鞄から今回の事件の資料を取り出し、警視正に渡した。 「あなたと組むの久しぶりなんですから、しっかりと頭に叩き込んでください」 青になったので、私は再び車を走らせた。 すると影原警視正が小さい声でボヤいた。 「………もう既に叩き込んだよ」
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