第1話 屈辱の初陣

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皮剥事件…… 私が捜査一課に入って初めて取り扱った事件だ。 そして、影原警視正と初めてコンビを組んだ事件でもある。 犯人グループは逮捕され、今も刑務所の中にいるが、数年後、新たな皮剥魔が現れた。 早速、事件の起きた池袋中央警察署に捜査本部を立ち上げる様要請したが、上層部はこれを却下。 本部は池袋東警察署に立ち上げることとなった。 更に上層部は捜査指揮を棚瀬管理官に指揮を執らせるよう命じた。 棚瀬管理官は去年、捜査一課に配属された若手のキャリア組だ。 優秀な捜査官なのは間違いない。 だがキャリア組なのを鼻に掛けて、キャリア思考が高く、いつもノンキャリや所轄を馬鹿にした態度を取っていた。 当然、ノンキャリの私を見下しており、この任を任された時、『一課長は部屋で編み物でもしてて下さい』と言って、意気揚々と池袋東警察署へと向かった。 上層部の意図はすぐに分かった。
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