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しいたけ
トントントンと未鈴が料理を作っている音が響いている。未鈴の手作りの料理は2回目。1回目は俺の好きなオムライスを作ってくれた。絶妙な卵の焼きかげんでとても料理上手なことを知った。俺は未鈴のいるキッチンに入った。
「なに作るの?」
未鈴は気づいてなかったらしく驚いた。
「涼太!?えっと。炒飯を作ろうと思ってる。」
「へ~。何入れるの?」
「えっと人参とピーマンとお肉と卵と、涼汰は何いれたい?」
「しいたけ!俺しいたけ好きなんだよなぁ。」
そう言った瞬間未鈴が険しい表情になり、重たく静かに口を開いた。
「ごめん。私のこと好きだけど、しいたけが好きな男の人は無理なの。生理的嫌悪感を感じる。本当にごめんなさい。さよなら。」
そう言って彼女は家を出ていった。
次の日俺は家にあるしいたけを全て捨てた。
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