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(3)救出者たち
『わかった。俺はどうすればいいんだ?』
『10秒毎に数字を念じて送ってくれ。0から順番に。10分以内に場所を特定して救出に行く』
『0』
『1』
『2』
『3』
『4』
・
・
・
・
・
俺は思念を送り続けた。いや頭の中で考えただけだが。
8分ほどでギザの新たな思念が入った。
『今、君がいる部屋のドアの外にいる。入っても安全かな?』
『体表と体内のセンサーが全滅してるのでわからないが、この24時間以上にわたって俺に異変は感知できなかった』
『わかった。あとはこっちで調べる』
1分30秒後にまた脳に思念が入ってきた。
『今から突入する』
こちらにはなにも感じない。
真っ暗闇で音は聞こえず匂いもしない、触覚さえ奪われているのだから。
『こちらは五人で来ている』
ギザは言う。
『テレパスは俺だけなので、君は残り四人とは会話できないが、身の安全は保証するよ』
『ありがとう』
『今から二人が君の両脇を持ち上げるので、そのつもりで身体を動かしてくれ』
『難しいが、神経が生きているので何とかするよ』
そして何とかなったようだ。皮膚の接触感はないが神経の圧迫感のようなものはある。
『では右足を30cm前に出してくれ』
俺はそうした。これは正確にできたはずだ。
『次は左足を30cm前へ出してくれ』
『大丈夫だな。稼働台があるそこに今から寝そべってもらう』
なんとかそれもできた。
『では君を運搬する。エアクラフトでまず本部に行ってもらう』
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