(4)国防総省

1/1
前へ
/10ページ
次へ

(4)国防総省

本部というのは、国防総省直属の俺の救出部隊らしい。臨時に設置されたのだ。 『わかった』こちらとしては、言われるままにする以外はどうしようもない。 27時間経った。部屋を出てから3時間だ。 その間に本部に着き、様々な検査や走査(スキャン)をされたようだ。ひとつひとつ、何をするか言ってくれた。 ギザのテレパシーが念じてくれなければ、自分ではわからない。 当たり前だが、こちらには本当は何をやっているのかほぼわからない。だが、不思議と神経が痛むようなことはなかった。 『一通り終わったよ。今から睡眠カプセルで7時間ほど睡眠をとってもらう』 ギザはそうことも無げに思念を送ってきたが、疑念は拭えなかった。 『睡眠?!』 『そう、睡眠だ。君には必要なんだよ』 『俺はアンドロイドなんだが。メンテナンスこそ必要だが睡眠は不要だ』 『それには答える権限を俺は持ってない。だが、7時間後には明らかにされる。心配せずに寝ていてくれ。休憩を取るようなものだ』 ギザの思念から嘘は感じられなかった。もちろん精神(こころ)を読まれないようにガードはしているはずだが、アンドロイドからはそれは分からない。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加