2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと、創! こんな夜中に何してらっしゃるの? さっきからぶつぶつぶつぶつと机に向かって独り言なんて言って、気持ち悪いったらありゃしない。そんなことする暇があるなら、わたくしのトランプゲームに参加なさい、バトラー相手ではちっとも面白くないんだから! いいわね、これは命令よ!」
窓の外は田園地帯らしい暗闇に包まれている。音を発するのは、蛙の鳴き声と水鳥の騒ぎを運ぶ風の流れだけだ。こんな勉強に最適な環境を引き裂く、甲高い言葉を投げかけるのが事の元凶、傍若無人にして口が悪い、令嬢ことアリス・レイである。突然僕の部屋に現れたかと思うと、勝手に僕の家を占領し、強引に僕の部屋を前線基地として接収してしまった、見た目だけはちょっと可愛い長い髪をふわっふわにセットした正真正銘の性悪、悪役お嬢様なのである。
最初のコメントを投稿しよう!