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翌朝、あまり大きくないクレア王家の紋章が入った馬車に身の回りの荷物を積み込み、マリナ、ニーナ、ユーリに見送られて住み慣れた王城を出発した。
エドは、前を馬で行く。警護の兵4人で馬車を囲み、御者もカリアス兵ということで、本当に1人きりになってしまった。
馬車は、途中野営をしながら進んでいく。
アナスタシアは狭い馬車の中で寝ることになったが、外で寝る兵士に比べたらマシなので、仕方ないと諦めていた。
「毎日、野宿になってしまいすまないな。」
エドは、アナスタシアの旅に不都合がないか心を配ってくれるので、それほど苦ではなかった。
「皆さまに比べれば…外にテントは大変でしょう?」
「俺たちは普段から野営に慣れている。外で身体を伸ばして寝るのもいいものだよ。」
「じゃあ、私も外にしようかしら。」
「やめてくれ。警護が大変だから。」
「あら、残念。」
アナスタシアは、道中、何かと気にかけてくれるエドとは軽口が叩けるくらいに仲良くなった。
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