カリアス帝国へ

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5日ほどでカリアス帝国帝都エルドの城門に到着した。 アナスタシアは、ここからは敗戦国の従属の印として、幌のない荷馬車に乗せられて街中を通り後宮に入るとエドから聞かされる。 さすがにいままでは警護の都合上、ちゃんとした馬車だったがここからは、帝国民に勝利を知らしめる存在として扱われると言うことらしい。 荷馬車に乗り込む時にエドから薄布のスカーフを渡される。 「いくらなんでも顔は隠していた方がいい。」 「ありがとうございます。」 スカーフをベールのように被り街中を好奇の目に晒されがら、アナスタシアは、後宮へ向かうのだった。 沿道には帝都の民が、たくさん押し寄せている。 「ねぇ、あれは何。」 子どもの無邪気な声が聞こえてくる。 「あれはクレアって国のお姫様。皇帝様の後宮に入るんだよ。」 「お姫様なのにあんな馬車なんだ。」 「戦争に負けたからね。」 「帝国が、ずーっと勝っていればいいね。」 アナスタシアは、戦争に勝つより戦を始めない事が大事なのに…と思いながら馬車に揺られていた。
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