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皇帝陛下の後宮
アナスタシアは、後宮に入る前に皇帝に拝謁すると思っていたのだが、そのまま後宮に入り、空いていた部屋に通された。
すでに侍女が二人待っており、アナスタシアは、すぐにカリアス帝国風のドレスに着替えさせられた。
「本日よりお世話させていただきます。私はリリー、こちらはレインでございます。」
「アナスタシアよ。よろしく。」
「早速ですが、ここでの作法についてご説明させていただきます。」
リリーの説明によると…
衣装は、基本自由であるが、皇帝が見える時で先触れがある場合は、帝国風のドレスで迎える事、1人にひとつの宮を与えているので、侍女も含めて他の宮へ行くことを禁じる事というふたつのルールを守れば、基本自由に過ごしていいそうだ。
食事も宮内で作るために使用人に至るまで完全独立で無駄がないのだろうかとリリーに聞くと先代の時代に後宮内でトラブルが起きたためと言われると納得できるところもある。
隣の宮とは高い塀で仕切られていて人の気配は分からない。
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