254人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
陛下
翌朝、アナスタシアが目覚めるとまた花が枕元に置いてあり、カードが添えられていた。
『よく眠っていたので、起こさなかった。また来る。』
と書かれている。
どうやら、昨夜アナスタシアが、エドのことや今後の事で思い悩んだまま寝落ちした後、皇帝陛下が来たらしい。
陛下があのエドと一緒にいたタイミングで、現れなかったことにホッとしつつ、毎回熟睡している自分に陛下も呆れているのではないかと思ってしまう。
と同時にもう少し早い時間に来てくださらないのかと陛下を責めるような事も考えてしまった。
これ以上、エドに惹かれる前に陛下の花に身も心もならなければ…
「どうしていつも陛下は、夜遅くにみえるのだろう。一度くらい昼間、ちゃんとお会いして話したい」
無意識に口に出していたのだろう。
リリーが
「陛下にお手紙を書かれたらいかがですか。」
と言ってくれた。
最初のコメントを投稿しよう!