東塔の姫

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アナスタシアが12歳の時、父王が病気で亡くなり異母弟のグレゴリーが10歳で王に即位しエリザベータのやりたい放題になっても、父の葬儀にさえ出させてもらえないアナスタシアの生活は、全く変わらないものだった。 そして月日は流れ、17歳になったアナスタシアは、とても賢く美しい娘に成長した。 本や侍女、兵士との会話から様々なことを学び、腰まで伸びたツヤのある銀色の髪は、キラキラ光り、陽に当たらない肌は白く透き通る。 濃い青の瞳は夜空のようでアナスタシアを警護する兵士たちは、こっそり『月光の乙女』と呼んでいたし、侍女たちは「姫様は、綺麗だ。」と言ってくれるがエリザベータのせいでアナスタシアはお世辞と思っていた。
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