月夜の告白

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アナスタシアはうなづき、話の続きを促した。 「そんな時、悪政に民が苦しんでいるクレア王国を攻めることになり潜入調査に行って、月光の乙女の噂を聞いたんだ。一度姿が見たいと最初は興味本位だったが、オーウェン将軍と一緒に会って、一目惚れした。美しさだけでなく民を守るその姿に。でも俺にはその場で告白することは出来ない状況だったから、政治的なことを考えて後宮入りを勧めた。アナスタシアは、お優しいが好きか?」 「陛下は、温かい気持ちになるし寵愛いただいて感謝しているわ。でもエド様と一緒にいると楽しいし、会えないと気になるのよ。たぶん私はあなたが好きなの。それも本心。ただ陛下の花だから気持ちに蓋をしようと思っている私はずるいのかしら?」 「俺は、肩書きも何も知らずに俺という男を好きになってくれるお前が好きだ。これからしばらく会えないかもしれないが、必ず迎えに行くから、待っていて欲しい。」 「陛下の花である私に約束はできないけれど、心はあなたをお待ちしてもいいですか。」 アナスタシアがそう言うとエドは優しく抱きしめてキスしてくれた。
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