異母弟

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そう言えば、普通宮から出れないはずだと気付いたのは、事務官が執務室のドアをノックしたあたりだった。 「陛下、アナスタシア様をお連れしました。」 執務室内には、久しぶりに会ったせいか少し髪が伸びて、雰囲気が微妙に違う皇帝陛下とクレア王国で会って以来のオーウェン将軍がいた。 「お呼びと聞き、まかり越しました。」 最上級の礼をして、直ると皇帝陛下から思ってもみなかった事を聞かされた。 「グレゴリーが見つかり、一緒に抵抗して匿っていた貴族と捕まった。顔を確認して欲しい。」 「お義母様は、一緒ではなかったですか?」 「元王妃は、捕まりたくなかったのか毒を飲んで自害したらしい。」 「そうですか…おそらく一緒にいたのは、お義母様の親族だと思います。」 「ルミノフ伯か。」 「はい。それでグレゴリーは、どうなるのですか。」 「普通なら処刑だな。アナスタシアは、どうしたい?寵姫のお願いを聞いてやらないこともない。」 「本人が後悔していて、これからどうすべきかを考えているか聞いてみたいです。」
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