夏の夜の夢

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帝都エルドは、クレア王国より南にある為、これから夏はかなり暑くなる。 初めての暑さにだいぶまいってしまったアナスタシアが昼間は寝て過ごし、夕方から活動するようになると昼間も陛下に会う事が少なくなり、何日も顔を見ないのが当たり前になっていた。 その日も夜になり、庭を飛び交う蛍を眺めながら、ひとり東屋で過ごしていると後ろに気配を感じる。 「アナスタシア、久しぶり。」 「陛下?」 振り返るとエドが立っていた。 「エド様⁈ いままでどうしていたの。迎えに来ると言って、あれきり会えなかったから、もう会えないかと…」 「ごめん。色々とやる事があって来れなかった。でもお前が待っていてくれたみたいでうれしい。」 エドはアナスタシアに優しく微笑みかけた。
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