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再会
夏の暑さは、思った以上にアナスタシアの体力を奪っていたらしく、いつまでも続いていた暑さにやられ、とうとう寝込んでしまった。
皇帝陛下からお見舞いにと部屋を涼しくする氷柱が届けられ、陛下の侍医も往診に来ているが、なかなか回復しない。
元々細い身体がさらに細くなり、ベッドの中でうつらうつらとして毎日が過ぎていく。
政務の合間に昼間、陛下も何度か来てくださったが、ほとんど会話も出来ず、痛ましげな表情で優しく手を握り帰って行くのを見送るだけだった。
「アナスタシア様、食べたいものはありませんか。果物でも召し上がってくださらないと体力がつきません。」
リリーが、なんとか摂れるようにとすりおろしたり絞って果物を食べさせてくれる。
「あ、りがと…」
弱っている時ほどエドに会いたい。
でもこんなに痩せちゃって嫌われちゃうかしら…
その前に陛下を差し置いてエドがここへ来れるはずないわよね。
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