正妃

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正妃

少しずつ回復していくアナスタシアに故郷の風は優しく、のんびりと過ごしていたが、用事で帝都に行って来たリリーの土産話によって、のんびりムードは一気に消し去られてしまった。 「おめでとうございます。陛下がアナスタシア様を側妃から正妃にする準備をされているそうですよ。」 「すごいわ。」 リリーと一緒にレインが喜ぶが、マリナは倒れそうになるアナスタシアの背中を支えて優しく撫でて確認する。 「リリーさん。それはどこからの話ですか。」 「今回、帝都に行った目的の用事を済ませに宮の事務局に行ったんですが、そこの職員さんに私たちが戻る時にあわせて正妃の間に引っ越しだねって言われたんです。療養中に正妃の間の整備と荷物を移動させているそうですよ。」 「リリー、それって先にアナスタシア様に言っちゃダメだったんじゃないの。絶対に陛下はサプライズプレゼントにしたかったんだと思うよ。」 リリーがレインに突っ込まれて、まずいという顔をしているが、それ以上にアナスタシアはショックを受けていた。
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