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「姫様、もしエド様が迎えに来たら、後のことは私に任せて一緒にお逃げください。陛下は、今姫様を気に入っていらっしゃるとは言え、他の人を好きだと知ったら、今までの噂の女たちのように、ある日突然いなくなるという目に合わせるかもしれませんし、姫様もエド様と離れたくないでしょう。」
「でもマリナ、あなたが危険だわ。」
「私は、姫様があの日、ひとりでクレアを守ってくださったおかげで、助かったと感謝しております。グレゴリー様が見つかり、処分を受けた以上、仮初めの女王だった姫様が縛られるものはないと思います。」
アナスタシアは、大好きな人と優しい姉のようなマリナを守るために自分に何ができるか考え、決心していた。
「マリナ、大丈夫よ。私はエド様もあなたも守るためなら、何でもするわ。ただ、私が正妃になったら、私の側にいてくれる?」
「もちろんです。」
「エド様が次に来た時には、お別れを言わないとね。怒られるかもしれないけど、こちらからさよならを言って離れないと陛下からエド様を守れないもの。」
「エド様が来たら、お2人で会えるようにしますね。」
マリナは主人の笑顔を守りたいのにと悔しくてならなかった。
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