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「ところでなぜ今までエド様でいたんですか?」
「昔、伯父上の所にいた頃、屋敷を抜け出して、オーウェン将軍のところで剣を習ったり、街で諜報活動の手伝いをしていたんだ。だから、クレアに行った時も皇帝には身代わりを置いて自分で動いていた。オーウェン将軍は、俺の事わかっているから自分の側仕えの振りをさせてくれていた。自分で動いた方がわかることも多いからな。」
「茶色の髪は、カツラだったのですね。でも陛下の本当の性格はエド様。」
「そう。漆黒の覇王っていうより、諜報活動しているエドの方が自分にしっくり来る。」
「私は陛下の元に残るから、エド様を諦めようと思っていたのに。」
「それは、本当にごめん。」
「でもどちらも同じ人で良かった。」
「なんで?」
「だって…私の初めての人がエド様だって…」
「アナスタシア、なんてかわいいんだよ。」
エドは、さらに強く抱きしめ指輪の石にキスをする。
「今度は黒い石の指輪を送るよ。」
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