対面

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「さて、エド、どうするか。」 オーウェンが隣のエドという茶色の髪に黒い瞳、背は高くて細身の騎士に声をかけると彼はしばらく考え込んでいたが、顔を上げて言った。 「民の代わりに何でもすると言うならカリアス帝国の後宮に入れるというのは、どうだろう。従属の印に王家の女が入れば民も納得して従うだろうし、後を押し付けられたらしい女王を殺さずに済むだろう。」 エドの提案にオーウェンはうなづき、アナスタシアに向き直る。 「では、こちらはアナスタシア女王を従属の印に我がカリアス帝国後宮に身ひとつで迎え入れるということで、民には手を出さないと約束しよう。ただし、抵抗する者は容赦しないが。」 「かしこまりました。出立はいつにいたしますか。」 「明日にでも。私は残務処理があるので、こちらのエドが同行します。明日の朝、こちらに来ればよろしいかな。」 「では、東塔の入口にお願いします。そちらが私の部屋になりますので。」 「東塔の月光の乙女?実在したのか?」 エドの呟きが聞こえたアナスタシアは、恥ずかしそうにエドを見た。 「そう呼んでくださる兵もおりますが名前負けしてますでしょう。」 エドは肯定も否定もしないので、アナスタシアは、そのまま席を立つのだった。
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