カリアス帝国へ

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「姫様は、今までこの狭い部屋しか与えられずに来たのに、責任押し付けられて悔しくないのですか。」 「ニーナ、どんなことがあっても私はクレア王家の娘なの。民に責任を持つのは当たり前よ。それに同じ籠の鳥ならカリアス帝国の後宮の方が、きっとここより広いわよ。」 笑ってそう言うアナスタシアにニーナは何も言えなくなるが、マリナは、さらに言った。 「しかし噂だとカリアスの皇帝は、いままで滅した国や属国になった国の女性を何人も後宮に入れて、気に入らないと処分してしまうと聞きます。部下に下げ渡すなら、まだしもある日突然、姿が見えなくなったなんて話も。」 「すごいわね。私も嫌われないようにがんばってくるわ。」 さすがにその話にはちょっと怖くなったが、2人に心配をさせたくなくて、アナスタシアは、わざと明るく答えるのだった。
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