~ふたり~

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俺は聞き分けの良い利発で賢い方の子どもだったので、2歳くらいからの記憶はハッキリと残っているが、いい記憶でもない。 2・3歳の頃、あの母親は何人もの見知らぬ男を住んでいたマンションに連日出入りさせていた。 酒を飲んだり食べ散らかして騒いでいる間、俺は別の部屋で黙って1人で過ごしていた。 時々『ガキは?』なんて酔っ払った声が聞こえたが、俺は部屋から出ず音もたてずじっと過ごしていた。 『あんな可愛げのない子、大嫌い!生意気に私を見下した目で睨んでくるの。ああ、嫌だ嫌だ』
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